Mount Bental(ベンタル山)

訪問日:Feb 21, 2013

これからゴラン高原にあるヨム・キプール戦争(第4次中東戦争)の激戦地だったベンタル山に向かいます。 昨夜からは、ノフ・ギノサール(Nof Ginosar)というキブツ経営のホテルに宿泊。ガリラヤ湖畔にある広々とした綺麗なホテルで、世界中から聖地旅行に来る団体がたくさん滞在していました。今日も朝早く芝生の前に集まって賛美とデボーションをした後バスに乗りました。

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ホテルを出て、北東に向かうと、緑豊かな草原の向こうに白い雪をかぶったヘルモン山が見えてきました。

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ベンタル山という名前はこの旅行に来るまで知りませんでした。ゴラン高原についてもシリアとの国境地帯にある危険なところというイメージしかなく、現在シリアは激しい内戦の最中であり、イスラエルとの関係も悪いので、まさか、そんな危険なところには行かないだろうと思っていましたが、ツアーバスはそんなことは全く気にせず登っていき、ガイドの恭仁子さんは山上にあるイスラエル軍の古い要塞を案内してくれました。ここは、1973年10月6日のユダヤ教の特別な日である『贖罪の日(ヨム・キプール)』に、エジプトとシリアの奇襲攻撃よって始められたヨム・キプール戦争(第4次中東戦争)の激戦地とのことです。

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イスラエルの現代史については全く無知だったのですが、今回のイスラエル旅行で学ぶ機会が与えられました。それを知ると、イスラエルを取り巻く現代の状況が、古代のイスラエルの状況と非常に良く似ており、旧約聖書に書かれた周りの国々との戦いと同じように、現代のイスラエルの戦争も神の手によって導かれているということが感じられます。このヨム・キプール戦争も物量面では劣勢だったイスラエルが奇跡的に勝利しました。このベンタル山をめがけて、シリアの戦車1400台が攻めてきた時、イスラエルの戦車は180台だけでしたが果敢に応戦し撃退したとのことです。まさに神の力が働かれたようです。帰国後に、ロゴスミニストリーのホームページにある解説記事”ヨム・キプール戦争全史”と関連ビデオを見て状況が良く分かりました。今はもっとイスラエルの歴史を知ろうと、『イスラエル全史(上・下)』(マーティン・ギルバード著 朝日新聞出版)という本を読んでいるところです。

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ヨム・キプール戦争の時の塹壕が保存されていて、狙撃兵をかたどった鉄板があちこちに立てられています。恭仁子さんのお話では、現在のイスラエルでも、予備役兵に対して緊急連絡があったら15分で対応しないといけないとのこと。恭仁子さんのご主人も、緊急連絡があった時にはすぐに準備して出かけ、携帯電話もなかった時代だったので無事戻るまでに随分心配したとのことでした。

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周囲には、雪をかぶったヘルモン山や豊かな農場が見え、のどかな風景が広がっています。東北方向の60Km先にはダマスカス(聖書時代のダマスコ)があります。今は内戦が激しいと言われるアレッポは更に北の方にあり、クリスチャンが多い町だそうです。

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これも、ヨム・キプール戦争の塹壕の入口跡で、中には平原を見渡せる細長い窓が開けられています。

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ベンタル山の東側にゴラン高原が広がっていますが、現在は国連により兵力引き離し地帯が設けられており、国際連合兵力引き離し監視軍(United Nations Disengagement Observer Force,UNDOF)の基地があって1974年から活動が始まっています。日本の自衛隊も、1996年から参加して物資輸送などの援助活動をしてきたのですが、シリア情勢が緊迫してきたため2013年の1月に撤退したそうです。左上に白く見える建物群がUNDOFの基地です。

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東側のシリア方面を見たところです。手前の農場はイスラエルのもので、その向こうに停戦ラインがあり、左上の小さな池の向こうはもうシリアの集落だそうです。右上に小さく見える白い建物群がUNDOFの基地です。

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そのすぐ北側に、『Valley of Tears』という看板がありました。この下に広がる平地が『涙の谷』と呼ばれるところで、ヨム・キプール戦争開始の1973年10月6日から9日まで、押し寄せるシリア軍と生きるか死ぬかの熾烈な戦いが行われ、奇跡的にイスラエル軍がシリアの戦車隊を撃退しましたが、多くの兵隊が戦死しました。

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更に北側を望むと、雪を頂いたイスラエル最北端のヘルモン山が美しく見えました。

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ヘルモン山は標高2814mのイスラエル、シリア、レバノンの三か国にまたがった連峰ですが、イスラエル側の最高峰は2224mで、頂上付近にはイスラエル唯一のスキー場があり、2月の週末には地元のイスラエル人が遊びに来て大変混み合うそうです。

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更に左に回って西方を望むと、イスラエルの集落があり、その向こうに花盛りのアーモンドの林が広がっています。その上の方に見える池は、農業用の溜め池で、灌漑用にこのような池がたくさん作られているそうです。

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山を下るバスの窓からは、たくさんの牛の群れが見えました。旧約時代には、このような牛がイスラエルの神への捧げ物とされたのでしょうか。